レポート
2018.06.25

岩がきを串間の名産に

こんにちは!「海と日本プロジェクトinみやざき」メッセンジャーの廣末圭治です。宮崎県の海ではこれまで牡蠣の養殖はほとんど行われていなかったのですが最近「岩がき」の養殖に取り組むところが増えてきました。串間市ではUターンで地元に帰ってきた元システムエンジニアが岩がきの養殖に取り組んでいます。 串間市の福島港から船でおよそ10分の波静かな海に浮かんでいる養殖いかだ。
海中につりさげられた多数のロープにつながっている塊が、春から夏に旬を迎える「岩がき」です。時に亜熱帯の魚が行き交う豊かなこの海では、約2万個のカキが養殖されています。

養殖に取り組む河野浩祐さんは、神奈川県でシステムエンジニアをしていましたが、5年前にUターンし漁師に転身しました。

(河野 浩祐さん)「親父は漁師ですよ。ウニ漁などをやっています。帰ってきたときに岩がきの養殖試験をあっちのほうでやらないかっていう話で始めてみたのがきっかけ」

カキの養殖について独学で学んだ河野さんは、最初はマガキの養殖に挑戦しましたが、海水温が高かったことが原因で育てた2万個のほとんどが死滅。しかし、次に挑戦した岩がきは、串間の海で驚くほどの生育を見せてくれました。その身の大きさは、2年物の中サイズでもおよそ10センチ、厚みも5センチほどあります。
(河野 浩祐さん)「こちらの海は海水温が高いので、プランクトンも多くて非常に旬の季節に実入りがすごくいい。自分は、大きいカキのほうが好きなんですよ、カキフライにしたときおいしいですね」

岩がきの養殖に適した串間の海。誰も気づかなかった発見に市も「経営が安定してくるということになれば、ほかの若い漁業者も取り組んでもらえるのではないか」と期待を寄せています。

串間市の豊かな海に育つ大きな岩がき。河野さんが養殖を始めて5年なんですが、今、やっと採算が取れ始めたばかりで、河野さんは、牡蠣の引き上げや洗浄など通常、機械を使う作業も今はすべて手作業でこなしています。今後出荷量が増えたら機械の導入を検討したいと話していました。

串間市は小さな川がとても多く、それが護岸工事をあまり施されない自然の姿で海につながっています。串間の海を育むこの環境がこれからも続いて今後、河野さんの大きな岩がきが串間を代表する特産品になることを期待しています。

 

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