レポート
2025.04.22

漁協が事業承継 日南市南郷沖を遊覧する水中観光船「マリンビューワーにちなん」の魅力

海中の世界を船上から楽しむ、新たな観光の形

宮崎県日南市の海に、ピンク色の船が優雅に浮かんでいます。これは「マリンビューワーにちなん」という水中観光船。昨年11月にリニューアルされ、地元の外浦漁業協同組合が運営を引き継ぎました。美しい南郷沖の景色と海中の世界を一度に楽しめる、この船の魅力に迫ります。

海の上から海中探検

外浦港から出発する「マリンビューワーにちなん」は、1日6便運航しています。約40分の船旅で、南郷沖の絶景を堪能できます。船長のガイドが、周辺の島々や造船所などを丁寧に紹介してくれます。

しかし、この船の最大の魅力は何と言っても水中観光です。船底の窓から海中をのぞくと、カラフルな魚やサンゴが広がります。ある乗船客は「ダイビングしているような気分になりますね、きれい」と感動していました。

思わぬサプライズも

船旅の途中には、思わぬサプライズも。トンビへの餌付けを間近で見ることができるのです。目の前を飛ぶトンビの迫力に、乗船客から驚きの声が上がります。

漁協による新たな挑戦

「マリンビューワーにちなん」の運営を引き継いだのは、外浦漁業協同組合です。小玉秀明組合長は「うれしいですよね。こうやって喜んでもらえるというのは」と、乗船客の反応に笑顔を見せます。

実は、県内の漁協が観光事業に着手するのは初めてのケースだそうです。小玉組合長は「漁業が衰退化している状況がある。漁協で一般の企業と組んで事業をやって収益を上げているというのをわれわれ一生懸命頑張っているところ」と、新事業への意気込みを語ります。

地域活性化への期待

漁協では今後、乗船受付の建物にレストランを開業する予定です。「うちは漁協なので、メインはカツオ、それに伊勢えびも使った料理ができればと思っている」と小玉組合長。地元の海の幸を活かした料理で、さらなる観光客誘致を目指します。

「きれいな海ですよね。こういうところを上手く使って、観光の目的にしてもらいたいなと。われわれもその一員として日南を活性化したいなというのはある」と、小玉組合長は地域への思いを語ります。

「マリンビューワーにちなん」は、日南市を代表する観光資源としてさらなる発展が期待されています。美しい海と豊かな自然、そして地元の人々の熱意が結集したこの船は、新たな形の観光のモデルケースとなるかもしれません。海の上から海中まで、南郷沖の魅力を存分に味わえるこの体験は、きっと多くの人々の心に残る思い出になることでしょう。

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