日南海岸に生息するサンゴを守るため、定期的に保全活動が行われているのをご存じでしょうか。
MRT宮崎放送では、駆除が始まったおよそ10年前から、継続的に取材していますが、今回、宮崎大学のサンゴの生息調査に同行しました。【前・後篇の前篇】
◆この10年間でサンゴの3割程度が死滅
串間市市木の沖に浮かぶ、周囲およそ4キロの築島。
この日、築島周辺のサンゴの生息調査を行ったのは、宮崎大学の深見裕伸教授と大学生、そして地元のダイバー。
(MRT水中取材班 武田隆裕記者)
「串間市の築島です。専門家らによるオニヒトデの生息調査と駆除作業が行われています。同行してきます」
日向灘一帯にはこれまでオオスリバチサンゴや、テーブルサンゴなどおよそ300種類のサンゴが確認されていて、南からやってくる暖かい黒潮が、サンゴの幼生を運び、豊かな生態系を築いています。
しかし、同時にサンゴを食い荒らすオニヒトデも運んできます。
オニヒトデは、体長30センチほどにまで成長する大型のヒトデ。全身を覆うトゲには毒があり、また、サンゴを食べてしまうことから、宮崎の海の中では、オニヒトデの大量発生がたびたび問題となってきました。
その被害は深刻で、この10年間で串間市の築島や、日南市の大島周辺などのサンゴの3割程度が、死滅したとされています。
◆サンゴが全滅したポイントも
こうした事態を受け、日南海岸では、9年前から年に数回、オニヒトデの駆除が行われています。 築島の南側のポイントで8年前に撮影した映像では、海の中でオニヒトデに食べられたサンゴが確認できました。
今回、同じポイントを調査するとサンゴの姿はほとんどなく、オニヒトデの数も減少していました。
撮影記録を検証した結果、ほぼ全滅したと判明しました。
(宮崎大学海洋生物環境学科 深見裕伸教授)
「食べ尽くされたんでしょうね。もうサンゴは残ってなかった」【後篇に続く】
※MRTテレビ「Check!」11月10日(水)放送分から
イベント名 | 【特集】サンゴがなくなる・・・串間の海の今<前篇> |