サメ博士」と呼ばれている高校生に注目します。
この高校生、サメ好きが高じて博物館で解説したり、図鑑の制作に携わったりと専門家顔負けの活躍を見せています。
(宮崎大宮高校1年 黒木健介さん)
「このサメ、宮崎県でとれるサメの中で一番好きなサメなので、これ標本にしているときもすごくいい。ドーパミンがあふれます」
宮崎大宮高校1年生の黒木健介さん。サメをこよなく愛することから「サメ博士」と呼ばれています。
そんな黒木さんの部屋にはサメの頭の骨格標本がずらり。すべて自分で作ったものです。 (記者)「特にどこが好き?」
(宮崎大宮高校1年 黒木健介さん)
「歯ですね。歯に勝るものはない。予備歯というが、ベルトコンベアー式に立ち上がってくる。サメの歯は『トレードマーク』」
頭の中は、9割がサメを占めていると話す黒木さん。特に気に入っているのが「イタチザメ」です。
なんでも飲み込むことから「海のごみ箱」と呼ばれているサメですが、黒木さんは、その歯の形に注目してほしいと話します。
(宮崎大宮高校1年 黒木健介さん)
「大型の獲物を襲うような歯の形をしている。非常にきれいな歯をしているが、やはり歯の形が『ハート型』」
黒木さんがサメにはまったきっかけは、4歳の時に見たドキュメンタリー映像でした。
(記者)「サメ見るとどんな気持ちになる?」
(宮崎大宮高校1年 黒木健介さん)
「ひとことでいうと癒し。サメ好きになったらわかる。『かっこいい』から『かわいい』に変わる」
小学生の時にはサメの研究者に連絡をとって話を聞くようになり、中学生になると標本をつくるため市場やスーパーからサメそのものを調達するようになりますが、それだけでは飽き足らず・・・
(宮崎大宮高校1年 黒木健介さん)
「漁師さんしかないという考えに至った。たまにアジのタンクの中に1匹、2匹くらいサメが紛れ込んでたりするので」
漁師のもとに出向き、水揚げされたサメをもらうようになりました。
(宮崎大宮高校1年 黒木健介さん)
「見つけた時点で『これ使います』と言ったりして、サメをいただいている。『何でこんな売り物にならない魚をもらうんだ』みたいな感じになるが、そこから何回か足運べば顔なじみになるので」
そんな息子の姿を見守る母・知美さんは、ちょっとした悩みがあります。
(母・知美さん)
「冷凍庫がこんな感じなんですけれども、これに困っております」
(記者)「これは?」
(母・知美さん)
「サメです・・・何も入れられないので、アイスも買えないという状況です」
(黒木健介さん)「ヘルシーやん」
< 黒木さんの実力は研究者からも評価されています。
県総合博物館で開催されている特別展「モンスター水族館」。
黒木さんが手がけたサメの骨格標本が展示されていて、この日はガイドを務めました。
(宮崎大宮高校1年 黒木健介さん)
「サメは肋骨が退化しているので腹骨がない。これはシロシュモクザメの背骨だがかなりシンプルな人間の骨とは全然違うような形をしていて…」
(幼稚園からの幼馴染)
「(小さい頃)サメの解剖とかにもたまに付き合わされたりして。将来の大物になる雰囲気があります」
(宮崎県総合博物館学芸課 田口道士さん)
「アイディアを経験を駆使しながらやってところはものすごく参考に、我々もですね、なるなと思います」
このほか、図鑑の制作に携わったり、大学と連携して論文を書いたりと研究者のような生活を送る黒木さん。
将来やりたい研究があります。
(宮崎大宮高校1年 黒木健介さん)
「サメの行動を調べたいなと思っていて、沖縄はサメの被害がたまにニュースになったりするが、そういったところでサメの行動が少しでもわかれば、かなり人間の共存につながると僕は思っているのでサメの行動を研究したい」
黒木さんのサメに対する思いは、冷(さ)めそうにありません。
(スタジオ)
サメは、一般的な動物の標本と違って歯以外が「軟骨」でできてるため、標本をつくるのは非常に手間がかかるそうです。サメは種類が増え続けて研究が追い付いていないということで、黒木さんが今後、大きな発見をするかもしれません。
※MRTテレビ「Check!」7月19日(火)放送分から